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花見酒経済先日、久々に東京に出て、数十年に及ぶ付き合いとなったテニス仲間との飲み会に参加してきました。 その席で、最近の物価高で生活が少々苦しくなってきたという話題になりました。それでわかったことは、そうしたインフレ対策として私が前々から勧めてきた「金（キン）」買いを、その飲み会に集まったメンバーの誰一人として実行していなかったことです。 もちろん、私の人間としての信用の無さがあったと思います。 いつも胡散臭いことばかり言っている上にビンボーとあっては、こんな人間の金融アドバイスなど、聞くに値しないとなるのは無理もありません。 ただし、彼らが金（キン）を買っておけばよかったと後悔していたのは事実です。 彼らの、「金を買えといっても、なかなか踏み切れないんだよねえ〜」という言葉に、私も、「ああ、そんなもんなんだろうなあ〜」と思った次第です。 さらに言えば、彼らが本当に後悔するのは、これからだと私は思っています。 なぜなら、世界恐慌と言われる状況にこれからなるからです（と、私は勝手に思っています）。 正確に言うと、すでに世界恐慌に足を踏み入れているのですが、世間一般ではそう認識されていません。株価の大暴落が起きて、大企業、中小企業がどんどん潰れてゆき、巷に失業者が溢れているのを見て、初めて人は世界恐慌が起きたと認識することになるのだろうと思います。 私が世界恐慌にすでに入っているというのは、すでにインフレがかなりのペースで進行しているからです。 数年前は、お米５ｋｇが２千円で買えました。 今は、平均価格が４千円を超えました。それで一般庶民はお米を買う量が減り、倉庫に在庫がだぶついていると報道されています。 これは由々しき事態です。 お米は日本人の主食です。主食が２倍を超える値段に上がって、食べられなくなったというのはその国民にとって一大事のはずです。 もちろん値上がっているのは食品だけでなく、あらゆる生活雑貨全般です。電気、ガス、水道などもこれから本格的に上がっていくでしょう。 私が飲み会のメンバーに、「値上げはこれからが本番ですよ。来年になるともっとひどいことになりますよ」と言ったとき、彼らは、「ええっ！！」と言って顔をしかめました。 今から何年も前ですが、今の金価格の５分の１、１０分の１のとき、私が勧めても彼らは買いませんでした。これからも買うことはないでしょう。 そして、誰もが恐慌が起きたと認識したとき、「ああ、金（または銀）を買っておけばよかった……」と改めて思うことになるでしょう。 でも、それはそれで貴重な体験であり、魂の学びということなのだろうと思います。 魂の計画として、恐慌の最中に苦しい生活の中で、周りの人々と助け合いながら乗り切るという体験を設定してきたのかもしれません。 前置きが長くなりました。 今回は、誰もが恐慌になったと認識することになる株価大暴落の時期の考察です。 吉田繁治さんの考察が興味深かったので、それを紹介させていただこうと思います。 日本は、１９８９年の株と不動産のバブル崩壊、２０００年のＩＴバブル崩壊と経験してきましたが、いまはＡＩバブルの真っ最中です。 そのＡＩバブルの様相を吉田さんは、「花見酒経済」と表現しています。 ・・・＜『吉田繁治さんのメルマガ、Ｖｏｌ．１５１７』から抜粋開始＞・・・ 〔花見酒〕 二人の男が、向島で花見客に酒を売ってひと儲（もう）けしようと、酒を入れた酒樽を運ぶ。その途中、片方の者が自分の所持金を相棒に払って酒を一杯やる。カネを渡された相棒が、今度はそのカネを払ってもう一杯、すると片方の者がまたそのカネを払ってもう一杯……。それを繰り返して、向島に着いた頃には酒樽の酒がなくなっていた。二人はすっかり酔っ払い、売上は所持金だけだった。 https://kotobanomado.jp/column/1093/ いつかは憶えていない昔ですが、新聞のコラムで読みました。無くなったのは、呑んでしまった酒樽の酒。酔った意識はしばらく桃源郷だった。醒めると、仕入れた酒は消え、お金は増えていなかった。酒の仕入れ代金が支払えない負債として残った。 〔複式簿記の両建て経済で見ると〕 一体どういったことだったのか？ おカネはお互いに貸しあったので、複式簿記で二人を記録すれば、バランスシートは｢資産１両＝負債１両（現代では１０万円相当）｣に増えている。しかし資産から負債を引いた純資産はゼロです。お金は増えず、飲んだ酒だけが消えた。これが、過剰流動性のバブルである花見酒経済でしょう。 酔いから醒めると、酒の仕入れ代金の負債（買掛金：資本のマイナス＝１両）だけが残った。日雇いの人夫で１００日働き、貯めて支払わないと無銭飲食と同じように、牢屋行きになる。 これが、日本のバブル経済（１９９５〜１９８９）の帰結でした（株価と地価は４倍）。 日銀のイージー・マネー（通貨増発＝過剰流動性＋低金利）の借金で買った株と不動産の３倍から５倍の高騰の、末期の帳簿では、｢資産（株と不動産の高騰１０億円）−負債（借金５億円）＝５億円の見込み利益｣のように見えていた（１９８９年１２月）。 ところが１９９０年から株価と地価が暴落したので、見込み利益は消えて、返せない借金だけが残った。２年後には、資産が１／３〜１／５に下落したからです。 １９９０年から１９９７年には、たぶん１００万人のバブル紳士が社会から消えました。平均負債２億円→２００兆円→銀行の不良債権→金融危機（１９９７年）。 これが、資産と負債の複式簿記（両建て経済）。 資産が下がると、負債と金利の支払い義務だけが残る。 ・・・＜抜粋終了＞・・・ では、現在のＡＩバブルが巨大な“花見酒経済”であることの証拠を示します。これを指摘したのはブルームバーグと日経新聞です。 花見酒経済を別の言葉で言えば、“循環取引”です。 浅井隆さんが主催する『経済トレンドレポート』から抜粋します。 ・・・＜『経済トレンドレポート』、第９３９号から抜粋開始＞・・・ つまり、「ＡＩ産業」という狭い世界の中で「エヌビディアがＯｐｅｎＡＩに１０００億ドル払い、ＯｐｅｎＡＩがオラクルに３０００億ドル祓い、オラクルがエヌビディアに４００億ドル払う」という、循環取引のようなトライアングルができているのだ。 かつてＩＴ（Information Technology:情報技術）バブルの際に大きく躍進し、ＩＴバブル崩壊後に不正会計で破綻した米電力大手「エンロン」では、２社間での循環取引によって負債の隠蔽、利益の水増しを行っていた。先述の３社の取引がこうした循環取引になっているのではないか、というのがその指摘なのだ。 ・・・＜抜粋終了＞・・・ 日経の記事です。 ＜米オープンＡＩが約２００兆円のインフラ投資でいびつな取引を繰り返している。米エヌ・ビディアなどから巨額資金の提供を受け、同社から人工知能（ＡＩ）開発用半導体を調達している。売り手と買い手で資金が循環する手法は、ＩＴ（情報技術）バブル期に類似する。成長を実態以上に大きく見せ過剰投資を呼ぶ危うさがある。（日経の記事の冒頭：１０月１６日）＞ このことが投資家にばれてしまいました。 循環取引にはオープンＡＩ、エヌ・ビディア、オラクルだけでなくマイクロソフトやＡＭＤも入っており、はたまたイーロン・マスク氏も参戦してきたといいます。 これがエヌビディアが好決算（四半期売上 前年比６２％増）を発表（１１月２１日）したのに、逆に半導体株が急落した原因です。 大口投資家が、ほぼ粉飾と言っていい循環取引（花見酒経済）の実態を知ってしまったのです。 現在のＡＩブームがいかにバブルであるかが白日の下に晒されました。 次に、今後に予定されているＡＩの巨額投資ですが、その巨額投資に相応しい利益を産まないことを、吉田さんが冷徹に計算していますので、それを紹介したいと思います。 ・・・＜『吉田繁治さんのメルマガ、Ｖｏｌ．１５８２』から抜粋開始＞・・・ （１）ナノ半導体（ＧＰＵ）の設計はＮＶＩＤＩＡ、製造は台湾のＴＳＭＣ。 （→ＮＶＩＤＩＡの２ナノ、３ナノＧＰＵは１個が５００万円の独占価格） （２）ＧＰＵを、数十万個も使う巨大ＡＩデータセンターの建造 （→投資額は１箇所、約２兆円） （３）ＡＩデータセンターの運営には、巨大電力費が必要 （原発一基分の巨大電力の使用（２００万戸分）と人件費） （４）ユーザーを得て、収益を得る活動 ◎損益ゼロに必要な収益＝ＧＰＵの４年での減価償却費５０００億円＋電力費１９００億円＋関連の人件費５００億円(１０００人)＝７４００億円＝年間コスト ↓ ・利用料１人６万円／年 １２００万人＝７４００億円の売上。 ・スマホやＰＣに、インターフェースをダウンロードして利用。 〔データセンター建設予定〕 （１）今後５年で計画が明らかなもので、推計１００か所（２００兆円投資） （２）ＮＶＩＤＩＡだけでもＧＰＵ売上は２０２５年１３兆円（昨年比２．１倍） （３）伸び率が鈍化し、年間５０％増加として、 ５年の累計で、１３＋１９＋２８＋４２＋６３兆円＝１２３兆円 （４）電力のインフラ投資がかかるから、 データセンター建設費２００兆円＝１００か所 （５）１００か所のＡＩデータセンターの必要売上 ７９００億円×１００か所＝７４兆円/年の売上 〔収益化に必要な有料顧客数〕 １か所７４００億円＝６万円／年のユーザー数で１２００万人が必要。 １２００万人の有料ユーザー×１００か所＝１２億人 米国の成人人口の４．８倍・・・ムリな必要ユーザー数 〔結論〕ＡＩデータセンターは、米国の全部の成人人口（２．５億人×６万円）を有料ユーザーにしても、必要売上の１９％しかなく、巨大赤字である。 →２０２６年からは、５年で２００兆円に向かう投資マネーの垂れ流しになる。 ◎オープンＡＩのサム・アルトマンは、｢６７０億ドル（１０．３兆円）｣の赤字を、内部では言っています。 〔安価な中国ＡＩとの、競合がある〕 １人のユーザー６万円／年では、世界に拡大はできない。 すでに中国が米国を超えているＡＩ大国（無料ユーザー数６億人）である。 利用料は米国の、１／４から１／１０。 ＤｅｅｐＳｅｅｋは、米国のオープンＡＩ（ＣｈａｔＧＰＴ）の性能を超えている。 ↓ オープンＡＩなどの利用料が高価なＡＩは、世界に拡大できない。 ◎米国内でも、安価な中国に押されて有料利用者の拡大は止まるでしょう。 ・・・＜抜粋終了＞・・・ 故森永卓郎さんは、「ＡＩは詐欺！」とまで言っていました。 私は詐欺とは思っていません。ＡＩが次世代の有望な産業だということは確かだと思っています（注１）。しかし、現時点では期待が先行し過ぎていて、過剰投資になっている感は否めません。 ＩＴバブルのときの例を挙げます。 １９９７年、上場のとき、１株０．１２ドルだったアマゾンの株価は、ＩＴ関連ということで爆買いされ、２０００年には３８倍の４．５８ドルまで暴騰しました。 そしてＩＴバブルの崩壊で、約５．８分の１の０．７９ドルまで下落しました。 とにかく、ＡＩの巨額投資がそれに見合う収益を上げられないことも投資家にバレてしまいました。 では、今すぐにバブル崩壊が始まるかというと、吉田さんはタイムラグがあるといいます。これまでの経験則から、バブルの実態がバレてから実際に株価の大暴落が起きるまで、７．５月ほど掛かるといいます。 ブルームバーグと日経新聞がＡＩ関連企業の循環取引を暴露したのが１０月なので、吉田さんは、それから７．５月後の来年（２０２６年）の第二四半期（６月〜８月）に起こると予想されています。 私は２０２５年内に大きな事が起こる可能性が高いと思っていたので、来年６月とはちょっと先だなという印象です。 他に予想はないかと探してみたのですが、プレアデス人メイの動画にありました（注２）。 メイは、日経平均が５万円になったのは西側の支配層の仕掛けであり、これから６万円、７万円になる可能性もあると言っています。 そうして株価を釣り上げ、人々が株に熱狂して資金をつぎ込んだピークで暴落させ、収穫するだろうと言っています。 メイの動画から抜粋します。 そして、ドル崩壊のタイミングはすでに見えています。 まだ西側の支配層は、最後の収穫を終えていません。 年金資金、保険資金、個人資産、これらをすべて株式市場に吸い上げる作業が続いています。 株価がピークに達し、すべての資金が市場に投入された瞬間、それが引き金となるでしょう。 私の観測では、２０２５年お終わりから２０２６年の初頭、この時期に大きな転換が起きます。 日本の株価が６万、７万という異常な数字に達した時、それが最後の合図となるはずです。 私は、日経平均が５万円に達したとき、これがピークかなと思ったのですが、メイはこれから６万、７万もありうると見ているようです（ホントかなと思ってしまいますが……）。 もちろん未来のことなので、メイの言うことが起こるとは限りません。 ただ、私は個人的にメイの言う２０２５年末から２０２６年の初頭という時期に注目していこうと思っています。 （注１） 私が個人的に楽しみにしているのが、イーロン・マスク氏が２０２７年に発売を予告している、ＡＩ搭載の人型ロボット（オプティマス）です（売値は２万〜３万ドル：３００〜４５０万円ほど）。 「Cocomi Channel」のショウさんによると、このロボットの初期型は料理こそできないものの、生活全般の雑事はこなせるそうです。もちろん畑仕事もできるそうです。 このロボットを使って、米作りでもやってみようかと思っています。 （注２） プレアデス人メイをフェイクだと思う方が大半だと思います。 ただ私は、メイの広く深い知識をベースにした洞察力、分析力は素晴らしいものがあり、並みの人間業とは思えないと感じています。私は本物のプレアデス人だったとしても驚きません。 （２０２５年１１月２９日） |
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