肌を見せないと・・・ |
アンビリーバボー |
またっすか！ |
東京都内といっても八王子という僻地に住み、近くの会社に自転車で通勤していると、世間と隔離された仙人のような生活になってしまう。たまに電車に乗って都会に出ると、カルチャーショックを受けたりする。
以前から気になっていたのだが、女子中学生だと思うのだが、なんであんなにスカートが短いのだろうか。最初はドキッとしてしまったが、最近やっと慣れてきた。制服だから学校から、スカートの丈は膝上何センチといった指導は、ないのだろうか。私が中学生のときは、髪の毛は何センチ以内とか、とにかくうるさく言われたもので、「まるで軍隊じゃないか、この人（先生）達は病気じゃないか」と思ったものである。それに比べると最近は平気で茶髪になったりして、もう身なりをうるさく言う時代じゃなくなったんだなと感じる。
しかしあのスカートの短さはちょっと異常だと思う。正面からは、からくもパンティは見えないが、ちょっと角度がつけば丸見えである。階段を登るとき、どうするのかなと思っていたらカバンで後ろを隠して登っていた。電車で座るときはスカートの上にカバンを置いて見えないように座っていた。なるほどなあ、と感心したのだが、そこまで気を使うぐらいなら最初からあんなに短いスカートを履かなければいいのにと思ってしまうのは、いらぬお節介なんでしょうね。たぶんその辺を歩いている”イケメン”とやらに見せたいのだろう。冬の寒さにも耐えて、肌を見ようとする根性はたいしたものである。
だいぶ前だがテレビのバラエティ番組で傑作なシーンがあった。アラスカに住むエスキモーの娘さん（たぶん１０歳前後）で、どう見ても男っ気ゼロの（まるで芋のような顔をした太った）女の子がインタビューに答えてこんなことを言っていた。「やっぱり（男の子をゲットするには）肌を見せないとダメよねえ」。エスキモーという文明と隔絶されたような環境と、（失礼ながら）ぶさいくな幼い女の子のイメージとあまりにも違うアンバランスな発言に、会場では大笑いが起きていた。もちろん私も大笑いだった。
どこの世界でも、人の考えることは同じ・・・ですか。
高校のときの同級生で、小さいながらも会社を経営している知り合いがいる。彼が言っていたのだが、とにかく従業員のレベルの低さに驚かされることが多いそうだ。小学生や中学生じゃないのに、とにかく逐一説明しなければ満足に仕事をしてくれないと嘆いていた。それを聞いたときは、ほんとかなあ、いくらなんでもちょっとオーバーに言っているんじゃないかなあと思ったものだった。
しかしそんな体験を自分がするはめになった。
パソコンの備品を買ったのだが、付属している標準品のケーブル以外のものが必要となって製造元の会社にメールしてみた。そうしたら特別仕様のケーブルも販売しているとのことで、こいつはラッキーと思いさっそくその”特別仕様”のケーブルを注文したのだ。すると送られてきたのは、”標準品”ケーブルだった。せっかく確認までして、”特別仕様”と念を押して注文したのに、”標準品”を送るというのは底抜けの阿呆と言われてもしょうがないと思う。腹も立ったのだが、驚きのほうもあった。「確かに、あいつ（高校の同級生）の言うことは正しい・・・」と思ったものである。
送られてきた製品が間違っていると、その会社に連絡すると、大いに恐縮してすぐに”特別仕様”の製品を送ったとメールがきた。
しかし今度は、なかなか自宅に届かない。私の想像を越えた阿呆のやることだから、「送った」と言って送っていないのかなと思い、また連絡しようと思っていたら、その会社から電話がかかってきた。するとなんと宅配業者が間違って違う家に届けてしまったというのである。私はこれには絶句した。住所と名前を確認して、違う家に届ける業者がいるのだろうか。ポストに入れるだけならそんな間違いもあるかもしれないが、本人の印鑑をもらうのだから間違いようがないと思えるのだが、これまた想像を越えた話である。
大幅に遅れて届けられた製品を見ながら、私は、”信じがたいミス”と”きれる若者”とは何らかの因果関係があるんじゃないかと思ったりしたのだった。
最近流行の現象なのだろうか、才能のある若い料理人達が、新しい発想で独自のおいしいラーメンの店を次々と立ち上げて、それが若者を中心に指示を広げているらしい。
ラーメン好きの私としては、ぜひそんな店を訪ねてみたいと常日頃から考えていた。去年の秋に、久々に都会に出かけた私は、わざわざ時間を作って、いかにも時代の最先端という雰囲気の（店内がかなり暗い）ラーメン屋を探しだして、意気込んで入ったのだった。店内は若い人がほとんどだった。ところがメニューにあるのは全部とんこつ風ラーメンだったのである。北九州出身で、とんこつが本場の地で生まれた私だが、好みはあっさりした塩ラーメンか、昔ながらの醤油味の東京ラーメンである。若い人ならおいしいラーメンなのかもしれないが、正直言って私の評価は中の下で、がっかりしてしまった。
（ローカルな話で申し訳ないが）東京の武蔵野線の東川口駅からちょっと入ったところに、いかにも今風の若い人がデザインした店造りのラーメン店を発見して、期待して入ったのだが、とんこつラーメンだった（でも味はまあまあ）。実家のある東京足立区の竹の塚に、これまた今風の「梁山泊」なるネーミングのラーメン店を発見して、いさんで入るとなんとまたもや、とんこつラーメンだった（味は下の中といったところ）。
現在住んでいるのは東京八王子で、家の近くにラーメン屋があったのだが、新装開店したので、おおいに期待していったら、とんこつラーメンだった。味も上手いとは言い難く、そのとき私はこの店は長くないなと直感した。もちろん一度で懲りた私はその店に、二度と行くことはなかった。そして予想どおりその店は１年あまりでつぶれて、新しく今風の（木目をふんだんに使ったシックな）店が新装オープンした。大いに期待して入った私の目に入ってきたのは、とんこつラーメンのメニューだった。「あんまりだ！」と叫びたくなる衝動を抑えて食べたのだが、けっしておいしいものではなかった。だがその店は、夕方５時というのに席は８割方満席なのだ。私と違い、おいしいと思う人は（やっぱり若い人中心に）多いのだろうと思う。
ラーメンは基本的に動物性のものをダシに使うのだが、とんこつはそれが際だっている。豚の骨や、頭蓋骨を、ことことと何時間も煮てダシをとる。私は、その白濁した色と背油を見ただけで、食欲がなくなってしまいまうのだが、この味が今とても人気があるのは事実のようだ。
日本人の好みはここまで変わってきてしまったのだろうか。だとすると日本人の平均寿命は今後どんどん短くなるだろうという私の予測は、残念ながら当たることは間違いなさそうである。